2月 校長室より
学びに向かう力、人間性
校 長 渡 邉 現
オリンピックに出場した選手には、きっと、何かの判断をするときや行動を起こすときにも、自分の種目を例えとして思考を巡らす、そんなことができるんだろうな、と思います。「焦らず、慌てず、諦めず」。ジャンプ競技を追求する高梨沙羅選手が若いころから胸に刻む言葉だそうです。きっと、高梨選手には、ジャンプの時にはもちろん、そうではないときにもジャンプに取り組む過程に置き換えて物事を捉えることができるんじゃないのかなぁ、と想像します。
何かに一生懸命に打ち込んだことがある人、「人生そのもの」というほどにまで取り組むことがある人にとって、その取組とは、自分の人生のいろいろな方向性をも考えることのできる「例え」にできているように感じます。
また当然ですが、特別な人ばかりがこの「例え」を持っているわけでもないと、わたしは思います。だって、わたしにも、考え先を見通すときや困難な壁があるときなどには、自分が続けてきたスポーツの種目での学び方に沿って例え、「もし○○をしているときだったらこうだから、これはこういうことかな?」のように思考することもしばしばです。
中学校の職員室で話をしたり、中学生と会話をするときには、中学校での部活動とは、全くこの通り、このような「例え」となり得る力を育てる活動を進めているのだなあ、と感じます。中学校の部活動とは、「ただただ勝てばいい」という環境ではありません。これは、どの時代であっても、また運動部でも文化部でも、中学校の部活では、この種目を通じて「人間性の育ち」こそを目指した活動をしています。その昔中学生だったみなさんにも、「わたしも、部活動で培ったそのような思考や判断力をその後の人生や社会に生かしている」という方々、きっと多くいらっしゃることでしょう。
■ 何のためにこの練習をしているか考え、理解して取り組むことが大事です
→それをしているかいないかでは、全く練習の質が違うこと
■ その日の練習ごとに「今日はこうしよう、こうなろう」とねらいをもつことが大事です
→ただ参加している、いやいや参加する、と、このように参加するでは、学びが大きく違うこと
■ 昨日の練習と今日の練習は同じではなく、今日の練習ではトライしてみる
→昨日受けた助言を整理したり自省し友達と共有したりして理解し次につなげることが大事です
実は、妹背牛中学校での教育も同様です。学校には知・徳・体を一体的に育む教育があります。そして学校とは、生徒の人権を保障した日常であり、そのために日常の授業を柱に学校の教育活動を充実させていくという教師の強い願い。このような日本中でこれまで積み重ねてきた教育観は、「令和の日本型学校教育」を目指すいまの妹背牛中学校の存在と価値にも、何ら変わりがありません。
妹背牛中学校の3年生は、いま「15の春」を迎えています。3月12日に本校を卒業します。